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●法律等では「研究室」はどうすることが求められる?

・学校教育法

第3条 学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。


・大学設置基準

第36条第2項 研究室は、専任の教員に対しては必ず備えるものとする。



Q2.研究室について「専任の教員に対しては,必ず備えるものとする」という規定がありますが,面積等の基準や目安はありますか。また,これらは個室として備えなければならないのでしょうか。例えば,複数人でシェアする共同研究室などを研究室として扱うことはできますか。


A.研究室の面積等に関する基準や目安はありません。利用形態は,必ずしも個室である必要はありませんが,研究執務に専念できる環境でなければなりません。また,オフィスアワーに適切に対応できること等,学生の教育上の観点からも適切な設備であることが必要です。


・裁判例

 ・学校法人V大学事件・東京地判平成24年5月31日労働判例1051号5頁

「大学設置基準36条2項は,『研究室は,専任の教員に対しては必ず備えるものとする。』と規定しており,大学教員の教育研究の拠点としての研究室を持つことは,専任の教員の権利であるということができる」


 ・学校法人原田学園事件・岡山地判平成29年3月28日労働判例1163号5頁

「被告に,大学設置基準等の定めにより大学に課せられた研究室の設置義務があるとしても,被告は,施設管理権を有し,上記2(2)のとおり,研究・教育に従事する多数の教員の提供する役務を合目的的に管理し統括する必要があることからすれば,大学教員において,研究室の設置を受けることができるとしても,ある特定の研究室を排他的に使用する法的権利,地位があるとまでは認められない。」


・大阪地決平成29年3月31日判例集未搭載 LLI/DBL07250345

 「大学准教授は,『専攻分野について,教育上,研究上または実務上の優れた知識,能力及び実績を有する者であって,学生を教授し,その研究を指導し,または研究に従事する』(学校教育法92条7項)こととされており,その主たる業務内容は研究教育活動である上,大学は,学校教育法3条に基づいて文部科学省が定めた「大学設置基準」により,その所属する専任教員に対して,研究室を備えることが求められていること(36条)にも鑑みれば,債務者は,債権者との間の労働契約上,研究教育活動を十分に行うことができるよう,研究室等の本件大学の施設を利用させる義務を負っているものと解するのが相当である。」


・学校法人梅光学院ほか(特任准教授)事件・広島高判平成31年4月18日労働判例1204号5頁

 「 研究室の利用も,教員の学問研究のために認められるべきものではあるが,どの研究室をどの教員に利用させるかについては,教員の就労内容を決定する権限のある被控訴人法人に裁量が認められるべきであるから,本件雇用契約を締結したからといって,当然に研究室の利用を妨害しないように請求する権利があるとはいえない。」




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